こんにちは。プロダクトマネージャーの横山です。
今回は私が担当しているYappli Liteというサービスでユーザー体験の設計をどう考えているか、 その時に使用しているフレームワークについて紹介させていただきます。
Yappli Liteにつきましては以前、こちらの記事でも紹介させていただきましたのでご確認いただければ幸いです。
ボウリングレーン・フレームワークとは?
ボウリングレーン・フレームワークとはプロダクトそのものに営業やマーケティングの機能を組み込んだ、Product-Led Growth型(略してPLG型)のプロダクトで重要なフレームワークです。
このフレームワークではユーザーが自走しないといけない状況をボウリングに見立てて考えます。
ボウリングが楽しいと感じる体験と言えばなんでしょうか? それはもちろん、ピンを倒す体験になります。 しかし、ボウリングをはじめたての頃はピンを倒せずにガーターにボールが落ちてしまうこともしばしば。 そうするとボウリングの面白さ(価値)を感じられないままユーザーは離脱してしまいます。
PLG型のプロダクトでもボウリングの体験と同様のことが言えます。 プロダクトの価値に到達しないままユーザーが離脱してしまっては、継続的にプロダクトを利用してくれることはありません。
では、この状況を救うのに必要なことはなんでしょう。
それが、ボウリングでいうバンパーです。 ボールがガーターに落ちないように補助を設けピンに到達させる。 そんなバンパーをプロダクトにも組み込むというのがボウリングレーン・フレームワークになります。
プロダクトにおけるバンパーとは?
プロダクトにおけるバンパーとは一体なにか? それはこちらのフレームワークの図で定義されています。
まず重要になるのがボウリングにおけるピン。プロダクトの価値となるユーザー体験です。 このユーザー体験を定義したらプロダクト外でのバンパーとなる「コミュニケーションバンパー」、 そしてプロダクト内での「プロダクトバンパー」を設置します。
コミュニケーションバンパーを設置するのは、プロダクトから離脱してしまっても復帰する手段を作るためです。
このようにプロダクト外も含めて全体的にプロダクト体験を作ることが重要です。
プロダクトに設置したバンパー
ここからは実際にプロダクトに設置したバンパーの紹介になります。
コミュニケーションバンパー
コミュニケーションバンパーとしてプロダクト外で利用しているのがメルマガになります。
ユーザーがプロダクトの利用を検討するうえでは以下のように2つの迷いがあると感じています。
- プロダクトの利用方法がわからない。
- プロダクトの価値がわからない。(Yappliで言うとアプリがそもそもなぜいいのかわからない)
この迷いを解消するためにメルマガで、利用方法と活用事例のコンテンツを交互にお届けしています。
プロダクトバンパー
プロダクトバンパーではまずはウェルカムメッセージ、そしてプロダクトツアーを設けています。
しかし、プロダクトツアーの課題として離脱率の高さが挙げられます。
恐らく自分がユーザーになってあるプロダクトを利用するときも最初のプロダクトツアーは飛ばす人が多いのではないでしょうか。
そのためにプロダクトは
- プロダクトツアーを前提にしないわかりやすいUX・UIデザイン
- プロダクトツアーを見直せる仕組み
を設計することが重要です。
1については言わずもがなだとは思いますが、2はユーザーが本当に見たいと思ったタイミングでもう一度見直せることが重要ではないかと思います。この仕組みがないといざわからないことに直面した時にユーザーの離脱につながってしまいます。
他にもプロダクトバンパーとしてはチェックリストを設けています。
Yappliはアプリを作成できるプロダクトですがアプリを作るといってもなにからすれば良いのかユーザーはわかりません。
操作の選択肢はいくつもあるので、最もプロダクトの価値を感じられる操作を中心にチェックリストを作成し、 初回ログイン後に最も目立つダッシュボードの位置に配置しています。
このようにコミュニケーション・プロダクトの両面からユーザーがプロダクトの価値を体験するまでの導線を整えています。
ボウリングレーン・フレームワークを回すには?
ボウリングレーン・フレームワークは一度作れば良いものではありません。
効果的に使用するには、「ピンに置いた体験が本当に適切か」「バンパーは機能しているのか」を見直す必要があります。
そのためユーザーデータを取りながらデータドリブンでの開発が求められます。
データドリブンについては詳しくはこちらをご確認ください。
終わりに
PLG型のプロダクトは良くも悪くも結果が如実に現れます。 良い仕組みを作れればユーザーの行動は変わりますし、逆も然りです。
しかしながら、自分達が動かない限りはユーザーの行動が変わることは決してありえません。 そこにPLG型のプロダクトの開発の楽しさがあると感じています。
ヤプリでは他にも、様々な部署で面白い取り組みやチャレンジを続けています!
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