Yappli Tech Blog

株式会社ヤプリの開発メンバーによるブログです。最新の技術情報からチーム・働き方に関するテーマまで、日々の熱い想いを持って発信していきます。

【カンファレンス初参加】SRE Kaigi 2025 参加レポート

はじめに

はじめまして、ヤプリで新卒SREをしています。眞田です。

今回はSRE Kaigi 2025に参加したので、個人的に面白かったセッションについて話します。 自分自身、そもそもこういったテックカンファレンスに初参加ということもあり、とても緊張していました。 しかし終わってみればとても楽しい経験をさせていただき、執筆中の今でもまだ余韻が残っています。 このような体験を他の方々にもしてほしいという気持ちから本ブログを書いています。

最後には参加してみての感想も書いてますので、お時間ある方はご一読いただけると嬉しいです。

面白かった・興味のある内容だったセッション

たくさんの面白いセッションがありましたが、ここではいくつかピックアップして紹介させていただきます。(他にもありましたが、自分の文章力の限界が先に来てしまいました...)

SRE, 開発, QAが協業して挑んだリリースプロセス改革

こちらのセッションを観た背景には、セッション概要で示された組織的なリリース頻度が弊社のリリースプロセス課題と似ていると感じたことがあります。

内容としてはデプロイ頻度の少なさや変更障害率の高さに対して開発、テスト、リリース、運用といった横断的に解決した際のプラクティスの紹介でした。 個人的にとても面白いなと思ったのは多くのプラクティスでGithub Actions → Step Functionsを利用していたところです。

またSlackのマイキーワード機能でGithubのユーザを登録することで通知できるというtipsは、現在同じ悩みを持っていたためこの後、試してみます。

speakerdeck.com

可用性とコストのリバランス:テレビ砲の過負荷へ対応した話と増強したリソースを適正化した話

こちらはサービスリリース直後、テレビ番組に取り上げられた影響で発生したインシデントについて話されていました。 前半の部分ではインシデント時の流れを時系列で紹介しており、後半部分ではインシデントを受けて気付いたどのような改善を行なっていったのかの二段構成でした。

後半部分の話で、インシデントの後に行った復旧やサービスの信頼性向上のための整備、それを担保することで発生したコスト増加への対応にサービスレベルの擦り合わせを行った話がされていました。 SLOの定義はその難しさや経営層とのやり取りが発生するため、と少し敬遠されがちな分野ですが、サービスの初期段階であればあるほど明確にすることが大事で、そのサービスレベルに合わせるという目標ができるため、タスク設計や意思決定がスムーズになります。 またインシデント後の一連の取り組みがサービスの改善につながっているだけでなく、SREの役割の重要性が明確になりこれがSREの文化醸成につながる一歩であるんだなと感じました。

弊社でも明確なサービスレベルの定義がなく、信頼性向上と言ってもどこまでを目指すかが曖昧であるため、取り組みにくい側面があります。 また個人的な話ではありますが、SREは比較的評価が難しいと考えています。加えてサービスレベルと言った指標がないと尚更です。 評価のしやすさという観点はこれは仕事のモチベーションを保つ上でとても重要なことですが、サービスレベルを定めることはそのサービスレベルの維持や向上に貢献したかの指標が生まれるため、目標や評価を定めやすくなるのではないでしょうか。

話が少し脱線しましたが、サービスレベルの話だけでなくインシデント発生時の話も面白く紹介されており、発表自体もとても良いなと思いました。

fortee.jp

AWSにおける横断的なログ分析とコストの管理

こちらのセッションでは、Observability(o11y)を高める上でのログの一元管理について話されていました。 開発者、SRE目線でユースケースをもとにどういったログが欲しいのかを示しており、各ログを集約するための基盤についても紹介されています。 これらは普段自分たちが集めているようなアプリケーションのログやメトリクスだけでなく、AWSからの通知やECSのイベント通知なども含まれておりとても参考になりました。

またSREとしての新たな領域として、コスト最適化についても書かれており、コストのo11yの仕組みやその役割について話されていました。 最近は為替影響から、多くの企業がコスト意識を高めていますが、SREがコスト管理をする役割である理由として、SREがサービスの信頼性を維持しながらコスト最適化を主導する理想的なポジションであるためということはとても腑に落ちました。

speakerdeck.com

この他にもたくさんの面白いセッションがありました。スライドのたくさん公開されていますのでぜひみなさんご一読ください。 zenn.dev

おわりに

最後に初めてこういったカンファレンスへ参加してみての感想を話します。 自分がカンファレンスに参加してセッションを聴講する理由として、今日自分が抱えている課題と近しいもの事例を見させていただきどのようなプロセスを踏んで解決していったかということを知っていきたいと思ったためです。 一方参加してみると、自分の中ではなかった視点での取り組みがたくさん紹介されていてとても実践したくなる内容ばかりでした。 こういったカンファレンスに参加することは自分にはない新たな選択肢を生むきっかけになってくれるのでとても貴重であると感じました。

また懇親会にも参加させていただきました。セッションもそうですが、懇親会に参加したことは大収穫でした。 初のテックカンファレンスということもあり、外部の方で知っている人はほぼゼロでした。 元同僚の方と出会って喋る人がいなかったわけではないですが、せっかく懇親会に参加したので交流を増やしていきたいと思い、自分から積極的に話しかけるよう心がけました。 そのおかげでたくさんの人と話させていただいたり、喋ってみたかった有名な方々ともお話しできる機会ができてとても貴重で有意義な懇親会でした。 初めてこういったテックカンファレンスに参加しましたが、自己評価もかなり高めです。 SRE NEXTやその他のカンファレンスについても参加していこうと思うきっかけになった貴重な経験でした。 開催いただいた運営の方々、関わっていただいた方々ありがとうございました。