こんにちは!アプリ申請チームのあきなです。この記事は Yappli Advent Calendar 2025 の記事です!
ヤプリ&フラー 合同アドベントカレンダー #2 Advent Calendar 2025 - Adventar
普段、私はアプリ申請チームの一員として業務を行っていますが、今回はAIと自動化ツールを駆使して業務効率化に取り組んでみたお話です。非エンジニアのチャレンジとして、温かい目で見守っていただければ幸いです。
チャレンジの背景
私の所属するチームでは、社内からの質問をSlackのワークフロー(WF)を利用して受け付けています。 質問の数はだいたい1日3件〜5件ほど。回答できるメンバーは4人いるのですが、申請業務でバタバタしていることも多く、全部に即レスするのはなかなか難しいのが現状です。
また、過去に同様の質問をいただいていたとしても、質問者がその情報を発見しづらいという点も課題に感じていました。
そこで、申請チームがすぐ回答できないときでも、過去の回答をサクッと調べられる場所があればいいなと思い立ち、Slackで届いた問い合わせと回答をAIで要約して、Googleスプレッドシート(スプシ)に保存する仕組みを作ることにしました! 最終的にそのスプシの情報をNotebookLMに読み込ませ、誰でも簡単に回答を得られる状態にしたいと考えました。
使ったもの・やったこと
ヤプリでは普段からZapierという自動化ツールを利用しているので、今回もそちらで実装したかったのですが、着手した当時は「社内で利用許可が下りているAIツール」と「Zapier」の連携機能がまだ提供されていませんでした。
そのため、今回は n8n という自動化ツールを利用することにしました。ただ、社内規定でn8nは「ローカル環境での利用のみOK」となっていたため、自身のPC内に環境を構築する必要がありました。
事前準備
いざ始めようとしたものの、ローカル環境を自分で作った経験がありませんでした。 そこで登場したのが Gemini CLI です。 Gemini CLIにお願いして、ローカル環境の構築手順をほぼすべて教えてもらいました。
その結果、気づいたら環境が出来上がっていたのですが…本職のエンジニアの方が見たら卒倒するような構成になっている可能性があります🙊
実際の挙動と仕組み
完成した仕組みはざっくりいうとこんな感じです。
- 質問受信:Slackで質問が来たタイミングで、WFの機能によりスプシに情報を登録
- 回答完了:メンバーが質問への回答を全て終える
- トリガー:特定のリアクションスタンプを押す
- AI要約 :n8n経由でコマンドを利用し、Gemini CLIにスレッドの内容を要約させる
- 保存 :アプリのSKUと問い合わせ概要を抽出し、スプシの該当する行に要約した内容を追記
実装中の難しかった点・苦労した点
初めてのローカル環境での作業ということでいろいろな壁にぶつかりました。一難去ってまた一難ぶっちゃけありえない。
1. ローカル環境とSlack APIの連携
Slackの情報を取得するためにSlack APIを利用したのですが、「Request URL」の欄にローカルのURL(localhost〜〜)を入力したところエラーに。「ローカルのURLってそのままじゃ使えないんだ…」と絶望しました。
Geminiに相談したところ、「ngrokを使うといいよ!」と教えてもらったので、詳細を聞きつつ初めて導入しました。
2. 記号が入っているとコマンドでエラーになる
Slackの投稿内に記号が含まれていると、n8nのコマンドを呼び出すステップでエラーになり、処理が止まってしまいました。解消方法を調べてみると「Base64に変換する必要がある」とのこと。
そこでまたGeminiに解説をしてもらいつつ、ステップを1つ追加してJSON形式のSlack投稿とGeminiへのプロンプトをBase64に変換する処理を挟むことで解決しました。
3. プロンプト調整という沼
要約の精度を上げるため、プロンプトの調整にはかなり時間をかけました。単に要約するだけでなく、以下のようなこだわりポイントがあったからです。
- 回答時にURLがあったら、そのURLを要約に含めたい
- 各ストアから飛んだ一斉メールについてのお問い合わせなら、同様の問い合わせがあった場合に備えてメールタイトルも要約に含めたい
などなど… このあたりは申請チームのメンバーと共に進めたのですが、特にプロンプトの構成や運用ルールの設計については、そのメンバーが主導して解決策を練り上げてくれました。 私一人では心が折れていたかもしれませんが、アイデアを出し続けてくれたメンバーのおかげで良きプロンプトができました。
番外編.NotebookLMとの格闘
上記をすべて実装し終わった9月頃、NotebookLMに直接スプシを読み込ませることができず、一度PDF化してから読み込ませるという手作業が発生していました。「ここまで自動化したのに、こんな細かい作業だけ手動なのは納得がいかない…」と感じていました。
ドキュメント(Google Docs)であればGoogleドライブ経由で取り込みが可能で、ボタン1つで内容更新ができたため、スプシのデータを定期的にドキュメント化して読み込ませる仕組みをZapierを利用して力技で作りました。
…が、完成した翌週くらいに、NotebookLMがアップデートされてGoogleドライブ経由でスプシを読み込めるようになりました。 「あと1ヶ月早くスプシ対応してくれていれば...!」と思いつつ、AI周りの進化の早さを肌で感じました。
社内での試験運用と反響
完成したNotebookLMを、試験的に一部の社員の方に開放して試していただきました。 1ヶ月ほど実際に業務で利用してもらい、アンケートを実施したところ、予想以上に嬉しいお言葉をいただくことができました!
「知りたかったことは大体確認できました。」
「フランクに調べたい時・事例の有無を確認する時にとっても便利だと思いました!」
苦労して作ったものが、実際に誰かの役に立っていると実感できて本当に嬉しかったです。 今後は特定のメンバーだけでなく社内全体へ展開し、もっと活用してもらいつつ、いただいたフィードバックをもとにしてさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
これからやりたいこと
今回は問い合わせを蓄積し、NotebookLMで検索できるところまで実現できました。今後は以下のようなことにもチャレンジしたいです。
RAGシステムの構築
Slackで質問が届いた瞬間に、蓄積したナレッジからAIが一次回答をしてくれるシステムを作りたいです(非エンジニアでもできる方法が見つかれば…!)。
最後に
今回、実装から運用ルールの策定まで、チームメンバーと一緒に進めてきました。 技術的な壁にぶつかった時や運用で悩んだ時に一緒に頭を悩ませてくれる仲間がいたおかげで、社内への展開まで進めることができました。 一緒に取り組んでくれたメンバーには感謝しています!
非エンジニアなりに動くものが作れて楽しかったです。
最後までお読みいただきありがとうございました!