Yappli Tech Blog

株式会社ヤプリの開発メンバーによるブログです。最新の技術情報からチーム・働き方に関するテーマまで、日々の熱い想いを持って発信していきます。

NotebookLMとAtlassianMCPによるリグレッション観点作成の取り組み

こんにちは。ヤプリでQAエンジニアをしている山口です。

今回は「NotebookLM」(AIツール)と「AtlassianMCP」(自動化・連携プラットフォーム)を活用し、リグレッションテストの観点作成および観点レビューを実施した事例についてご紹介します。

背景:観点作成の工数削減を目指して

弊社ではPdMがConfluenceに機能要件や仕様をまとめています。通常、これらの内容をもとにテスト観点や試験書をスプレッドシートにまとめているのですが、毎回一から作成するのは非常に工数がかかります。

そこで、昨今のAI技術の進展を踏まえ、「この工程をAIや自動化の力で効率化できないか」と考えたのが今回の取り組みのきっかけです。

NotebookLMによる観点自動生成

まずNotebookLMについて簡単にご紹介します。NotebookLMはGoogleが提供するAIドキュメント要約・分析サービスで、PDFや各種ドキュメントをアップロードすることで、内容の要約や観点抽出などを自動で行うことができます。

弊社ではGemini for workspaceのenterprise契約をしているため、NotebookLMも業務で利用可能です。まずはConfluenceの内容をPDF化し、NotebookLMにアップロードしてみました。

手順はシンプルで、PDFをアップロードし、プロンプトで「リグレッション観点を作成してください」と依頼するだけです。 ※今回は実際にヤプリで提供しているCRMのポイント、ランク判定機能のリグレッション観点の生成を例として説明します

→生成時の様子。

NotebookLMを利用した観点生成

こうしたAIによる自動化の恩恵は非常に大きいと感じました。

Atlassian MCPによる観点レビューの効率化

続いてAtlassian MCPについても簡単にご説明します。Atlassian MCP(Model Context Protocol)は、JiraやConfluenceなどAtlassian製品群の連携や自動化を支援するプラットフォームで、各種業務プロセスの効率化を実現できます。NotebookLMなどのAIツールと組み合わせて活用することにより、より高度な自動化やレビュー体験の最適化が可能となります。

また、今回AtlassianMCPでConfluenceにアクセスする際には、開発支援ツールであるCursorを利用しました。Cursorを活用することで、Confluence上の情報取得や連携処理がよりスムーズに行えた点も補足しておきます。

このようにして、NotebookLMで作成したリグレッション観点をもとに、AtlassianMCPを活用してポイントやランク周りの仕様書、品質特性の観点からレビューも実施しました。

→レビュー時もこのように良い点と改善点などを補足してくれます。その他、リグレッション観点としての全体所感などのまとめもレビューが返ってきました。

AtlassianMCPを繋いだレビュー

まとめ:AI・自動化アウトプットの活用と人間による最終確認の重要性

今回、AIツールと自動化プラットフォームを組み合わせて活用したことで、想定以上に有用なアウトプットを得ることができました。 まずは試験的に導入したため、具体的な工数削減の数値は出せていませんが、ざっくりとした感覚では、人力で一から設計していた時よりも設計全体の工数が4割ほど削減できていると実感しています。

ただし、現段階では観点やレビュー結果について最終的に人間が内容を確認し、信頼性を担保する必要があるとも感じています。 出力された観点パターンが網羅できているか、レビュー結果の内容によって過剰な観点追加になっていないかなど、ある程度レビュー対象となる機能について人間側も理解・把握した上で、望むような結果が得られているかを精査する必要があると思います。 このように、100%工数を削減することは難しいものの、アウトプット作業自体は効率化できたと感じています。

また、現時点ではレビューにおける観点がまだ少ないですが、今後は提供している既存機能仕様や、社内の不具合・インシデントなどから派生した観点や傾向も学習させることで、さらに質の高いレビューが実現でき、前述のような機能に精通している人が最終的にアウトプットをレビューする属人化の課題も減らせる可能性を感じました。

今後もさまざまなAIツールや自動化プラットフォームを比較検証しつつ、AIと協業しながら作業効率の向上を目指していきたいと考えています。

本記事が、AIや自動化の活用を検討されている方の参考になれば幸いです。

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