こんにちは。
株式会社ヤプリ CX開発部でサーバーサイドのグループマネージャーをしている加納です。
最近、社内外問わずキャリア相談を受ける機会が増えました。
社内の1on1、カジュアル面談、面接などで、さまざまな方とキャリアについて話しています。
- 「テックリードになりたいです」
- 「マネージャーに興味があります」
- 「PdMって面白そうですよね」
- 「PjMってどんな仕事なんですか?」
ヤプリの開発組織は今年から職能別から事業部別に変わり、サーバー、アプリ、QA、PdMが近い距離で働くようになりました。
その結果、職種の枠を越えたキャリアの可能性がより現実的になっています。
これはとてもポジティブな変化だと思っています。
一方で、相談に乗る立場になって強く感じることがあります。
キャリアは「上に行くゲーム」ではない。キャリアは「責任の種類を選ぶゲーム」だと。
この記事では、CX開発部サーバーサイドグループマネージャーとして、
自分がキャリアを整理するときに行き着いた考え方をまとめます。
※この記事は「絶対にこうあるべき」という主張ではなく、あくまで個人の仮説です。
ただ、キャリアに迷ったときの整理軸としては役に立つと思っています。
- キャリアの本質は「任されること」だと思う
- 「任せても大丈夫」を分解すると、3つの力に行き着いた
- 障害対応は「3軸すべて」が試される
- ただし「3軸がすべて」ではない
- それでも「任せられる人」は強い
- 明日からできる3軸の伸ばし方(習慣化)
- おわりに
キャリアの本質は「任されること」だと思う
キャリアとは、肩書きが増えることではありません。
キャリアの本質は「任されること」
だと思っています。
会社が人に仕事を任せるというのは、
「この人なら、失敗しても回収してくれる」と信頼すること
だと思います。
逆に、どれだけスキルが高くても
- 詰まっても黙る
- 期限ギリギリまで抱える
- 問題が大きくなってから共有する
という人には、大きな責任は任せにくいかなと思います。
年収は会社や制度、タイミング、世界情勢や日本市場の情勢によって変わります。
ただ、市場価値という観点では、
より大きな責任を預けられる人ほど、選択肢が増えていく
という傾向はあると感じています。 これは、AIが進化して生活の中に溶け込んでいく未来でも当てはまると思います。
「任せても大丈夫」を分解すると、3つの力に行き着いた
ここからが本題です。
「任せても大丈夫」という信頼を分解すると、次の3つの力に行き着きました。
- 技術力
- リード力
- 提案力
Lvが上がるほど、実装ではなく「意思決定」と「責任」が仕事
になります。
| 軸 | Lv1 | Lv2 | Lv3 |
|---|---|---|---|
| 技術力 | 小さい実装ができる | 運用まで考えて一気通貫で実装できる | 非機能要件を見抜き技術方針を決められる |
| リード力 | 自分のタスクを終える | 周囲を巻き込んで終える | 信頼を失わず着地させ、価値提供まで持っていく |
| 提案力 | 気づく | 言語化して選択肢を出す | 成果で証明し、意思決定に影響を与える |
もちろん、全てのエンジニア、開発者にこの3つが同じ比率で求められるわけではありません。 職種や役割、会社のフェーズによって重要度は変わります。
ただ、少なくとも自分が、マネージャーとして「この人に任せたい」と思うときに見ている要素は、最終的にこの3つに整理できます。
障害対応は「3軸すべて」が試される
ここで少し、具体例を挙げます。
ありがたいことに、社内では障害対応や運用改善の場面で「安心して任せられる」と言ってもらえることが多いです。
自分自身も振り返ると、エンジニアとして評価された経験の中で一番大きかったのは「難しい実装ができた」ことよりも、 障害対応でチームや関係者の不安を減らせたことでした。
障害対応は、実は 技術力 / リード力 / 提案力 がすべて露呈する場面だと思っています。
- 技術力がなければ原因を特定できない
- リード力がなければ関係者を動かせない
- 提案力がなければ恒久対応の意思決定ができない
例えば障害時に、
- 「原因は分かりました」で止まる人
- 「影響範囲はここで、暫定対応はこれ、恒久対応はこの方針です」と整理できる人
であれば、後者の方が圧倒的に任せられます。
障害対応は、エンジニアとしての総合力がそのまま出る場面だと思います。
- 影響範囲を即座に言語化できる
- 暫定対応と恒久対応を分けて整理できる
- 誰が何をやるかを明確にする
- 関係者の不安を減らすコミュニケーションができる
- 再発防止を仕組みに落とし込める
特にCX開発部のように職種横断の環境では、
- QAへの影響説明
- PdMとの優先度調整
- 再発防止の仕組み化
まで含めてやり切れるかが問われます。
ただし「3軸がすべて」ではない
ここまで書いておいてなんですが、この3軸が常にすべての現場で最重要とは限りません。
例えば、経営企画やビジネスサイドから明確なアイデアが大量に供給されていて「これを実装すれば解約率が改善する」という状況なら、 ビジネス的な提案力の優先度は下がるかもしれません。
また、リード力が突出していなくても、ある領域の専門性が圧倒的に高い人は市場価値が上がるケースもあります。
それでも「任せられる人」は強い
一方で、どんな状況でも比較的普遍的に強いのは、
「任せても大丈夫」と信頼される人
だと思っています。
任される人は、共通して
- 報告が早い
- 相談が早い
- 詰まったら自分から言う
- 周囲を巻き込める
- 最後まで投げない
という特徴があります。
これらは派手ではありませんが、
「責任を預ける」という意味では非常に重要です。
明日からできる3軸の伸ばし方(習慣化)
最後に、明日からできるアクションをまとめます。
技術力
- 週1回、設計メモを書いてレビューをもらう
- 境界条件を洗い出す習慣をつける
- 運用を想像してログ・監視を設計に含める
リード力
- 週1回、リスクと詰まりポイントを共有する
- 遅れそうなら即相談する
- 認識ズレを放置しない
提案力
- 月1回、改善提案を資料化する
- 「背景 / 問題 / 影響 / 案 / 優先度」で整理する
- 効果を数字で示す(工数削減、障害削減、リードタイム短縮など)
おわりに
サーバーエンジニアのキャリアは、職種で決まるものではありません。
ただ、自分は「任せられる人」を整理すると技術力 / リード力 / 提案力 の3軸に行き着きました。
この3軸は、絶対の正解ではありません。会社の状況やフェーズによって重要度も変わります。
それでも、キャリアに迷ったときに
「自分はいま、どの軸を伸ばすべきか?」
と考える整理軸としては役に立つと思っています。 はじめにも言いましたが、AIが入ってきたこの目まぐるしく変わっていく日常の中でも この考え方は大きく変わることがないものかなと思っています。
もしこの記事が、誰かのキャリア選択のヒントになれば嬉しいです。
興味を持った方や、「加納とキャリアについて話したい!」という方は、ぜひカジュアル面談にお越しください。