こんにちは。iOSグループの古賀です。
今年(2023年)のiOSDCは、私たちのチームから2名が5つのプロポーザルを提出し、そのうち2つが登壇と原稿で採択されました。この記事では、プロポーザルが採択されるまでのチームとしての取り組みを書いています。
(登壇者の記事についてはこちらをご覧ください。) tech.yappli.io
昨年の反省
実は昨年、チームからはプロポーザルを提出できませんでした。その原因を振り返ってみると、プロポーザルの提出を個人の判断に任せていたこと、そしてチーム全体でアイデアを共有したり議論する環境が整備できていなかったことが大きな要因だったと認識しています。さらに、昨年は弊社初のテックカンファレンスが予定されており、そこでの発表内容の検討にも注意が向いていたため、気がつくとiOSDCの提出期限が迫っており、チームで議論するには日数的に厳しい状況でした。
また、プロジェクトや保守における知見をプロポーザルにしようと思っても、プラットフォーム固有の問題やObjective-CからSwiftへの移行といった技術トレンドから少しズレた課題と向き合うことが多く、話を聞いた方が技術的に転用できる内容を考えることが難しい状況でした。
これらの問題を克服するためにチームとして取り組んだことついて、以下で詳しく紹介します。
モダン化を意識した開発ロードマップの策定
まず最初に、チームが抱えている技術課題を整理し、その上で改善ロードマップを策定しました。この取り組みは、チームの開発パフォーマンスを向上させることが目的でしたが、加えて普段の開発でモダンな設計に触れる機会を増やし、外部向けのアウトプットも増やしたいという目的もありました。
具体的には、Swiftへの移行方針の確立、マルチモジュール化、そしてSwiftUIへの適応など、取り組むべき課題の優先度を決定しました。これにより、目標タスクを明確に設定し、計画的な開発を進めることが可能となりました。結果として、この1年間で保守のボトルネックとなっていたObjective-C実装の大部分を置き換えることができました。また、マルチモジュール化や、Rubyで実装していたビルドシステムを一部Swiftコードに置き換えるなど、技術的に関心を持ってもらえそうな取り組みも増やせました。
アイデア出しの企画
次に、iOSDCのネタ出し会を企画しました。ここでは議論をスムーズに進めるために、事前にアイデアのカテゴリを設定し、チームメンバーが意見を出しやすい環境を作りました。ミーティングでは、業務で取り組んだ設計改善がアイデアとして取り上げられたり、他にもCopilotを使った実装やSwiftUIの実践的な例など、技術トレンドも意識したアイデアが出てきました。これによって個人では気づかなかった新たな視点やアイデアを探し出すこともでき非常に有益でした。 またプロポーザルのテーマ選定やそのレベル感について不安を感じていた私たちですが、チーム全体で意見を共有し「このテーマならプロポーザルとして提出可能だね」と認識を合わせられることで、その不安を解消することができました。
さらに、WWDC23の発表後にも社内勉強会を開催し、新たな知見や観点をアイデアとして整理しました。これもプロポーザルを検討する上で役に立ちました。
またプロポーザルの候補を検討してから提出するまでの過程でも、チームメンバーからのフィードバックを元に、より質の高いプロポーザルを作成することができました。
まとめ
アイデアの提案から内容のブラッシュアップまでをチームで協力して進め、今回の成果(登壇と原稿の採択)をサポートすることができました。 これからもチームとしての取り組みをさらにレベルアップしていきたいと思います。
最後に宣伝になりますが、今年もヤプリのテックカンファレンスが予定されています。 残念ながら今回のiOSDCで採択されなかったトピックもセッションに含まれていますので、ご興味のある方は、以下のリンクから是非お申し込みください!
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