Yappli Tech Blog

株式会社ヤプリの開発メンバーによるブログです。最新の技術情報からチーム・働き方に関するテーマまで、日々の熱い想いを持って発信していきます。

新卒SREとしてヤプリで1年間働いてみて

はじめに

はじめまして、ヤプリの眞田です。 私は2024年4月に新卒SREとしてヤプリに入社しました。

本日は2025年3月31日で入社から1年が経過したことを記念して、私の新卒SREとしての1年間を振り返りたいと思います。

なぜ新卒SREとしてキャリアを選んだのか

私が新卒でSREを選んだ理由はいくつかあります。まず、インフラ技術が好きという前提はありましたが、インフラだけに特化したいわけではありませんでした。 これは、従来のインフラエンジニアはプロダクト開発から距離があるというイメージがあり、私はプロダクト開発に直接関わりたいと考えていたためです。 また、インフラレイヤーだけでなく、アプリケーションレイヤーも含めてボトルネックを解消したいという思いもありました。 これらの理由からSREという職種に興味を持ちました。 さらに、新卒でSREという希少なキャリアを経験すること自体に価値があると考え、この道を選びました。

入社前の期待と実務経験から得た認識

入社当初は、新卒という立場からSREとして継続的に取り組めるか、また、技術的な挑戦に対応できるかといった点に懸念を抱いていました。 特に、技術習得への本格的な取り組みが比較的最近であったことから、長期的に技術と向き合い続けることができるかという点も、自己評価における課題でした。

しかし、この1年間の実務経験を通じて、当初の懸念は徐々に解消されていきました。 技術的な知見については、入社前と比較して格段に進歩したと実感しています。 インプットした知識を実際の業務や社内勉強会などで積極的にアウトプットする機会を得たことで、知識の定着と実践的なスキルの習得が促進されたと考えています。 一般的に、インフラ領域は高度な専門性が要求されるイメージですが、実務を通じて習得可能な知識・スキルも多いと感じています。 学習環境が整備されていれば、このような懸念は払拭される可能性が高いため、キャリアパスとしては非常に魅力的だと感じました。

また、一定の業務成果に対する評価を得られたことは、SREとしてのキャリアパスを歩む上での大きな自信となりました。 総じて、入社前に抱いていた不安は、日々の業務への取り組みを通じて、着実に解消されていったと認識しています。

1年間で担当したプロジェクト・業務

初めて任された仕事とその成果 (2Q)

初めに担当したのは、社内システムのデータベースアップグレードでした。 新卒入社後の3ヶ月間は、ビジネス研修(ブートキャンプ)と並行してこの作業を進めました。 具体的な取り組みとしては、対象アプリケーションの理解、アップグレードの互換性調査、手順書の作成、そして実際のアップグレードを行いました。 初めての経験でしたが、事前の手順書レビューや切り戻し計画を綿密に行ったことで、作業はスムーズに進みました。

改善に取り組んだこと (3Q, 4Q, 2025年1Q)(インフラ最適化、自動化、監視強化など)

新卒研修が終われば、本格的にSRE業務を開始しました。主に以下のような取り組みを行いました。

  • インフラ作成依頼の遂行
  • 定常的なインフラ保守業務
  • ヤプリ全体のCI/CD環境の改善
  • Google Cloudの管理や監視面の強化
  • Google Cloudのコスト削減

ヤプリでは主にAWSやGoogle Cloud上でサービスを運用しています。 これらのクラウドサービスに関する知識を深めるとともに、Terraformを用いたInfrastructure as Codeの実践や、CircleCI・GitHub Actionsを活用したCI/CD環境の改善など、業務を通してこれらの技術を実践的に活用し、SREとして必要なスキルを幅広く身につけました。

特に苦労したこと・その乗り越え方

入社当初は、特にコミュニケーション面で苦労しました。 SREとして協業する場面でのコミュニケーションもそうですが、そもそも社会人としてのコミュニケーションに不安がありました。 特に、自分の意見を適切に伝えられないことが多く、相手に誤解を与えてしまうことがありました。 また、なんでもやりたいという気持ちが強すぎて、考慮すべきことを考えずに行動してしまうこともありました。 今でも、これらの課題は完全に克服できているわけではありませんが、少しずつ改善してきたと感じています。

ヤプリSREならではのやりがいや醍醐味

SREの役割や取り組みは組織によって大きく異なります。ここで述べる内容は、あくまでヤプリにおけるSREの特徴です。 ヤプリの「プラットフォーム」であるという性質が、SRE業務に大きく影響しています。 アプリケーション変更と同様に、インフラ変更時もダウンタイムを最小限に抑えることが求められます。 また、インフラ変更の影響範囲が広いため、どのような変更であっても慎重な影響評価と計画が不可欠です。このプロセス自体に、SREとしての挑戦とやりがいを感じています。

一方で、このプラットフォームという性質上、意思決定においてインフラ変更の難易度や影響度が常に大きな要因となります。 そのため、細かな改善であっても全体への影響を考慮する必要があり、結果として改善が見送られ、レガシーな部分が残りやすいという側面もあります。 最近では、こうしたレガシーな部分の改善に取り組む機会が増えています。 困難な課題ではありますが、これらを解決することが開発生産性の向上に直結するため、大きなやりがいを感じています。

また、ヤプリの他のエンジニア(サーバーサイド、フロントエンド、モバイル)は基本的に特定のプロジェクトに所属し、四半期ごとに目標や方針が設定されます。 対照的に、SREは特定のプロジェクトに縛られず、中長期的な視点でSREとしての目標を設定し、自身の成長に集中しやすい環境であると感じています。 ただし、特定のプロジェクトに深く関与しない分、プロダクトへの理解が浅くなるという課題もあります。そのため、他チームの定例会議に参加するなど、意識的に他のエンジニアとのコミュニケーションを取り、プロダクト理解を深める努力をしています。

今後の目標

今後の大きな目標は、開発生産性の向上に貢献することです。 前述のレガシー改善に加え、開発組織全体の技術力向上に繋がる活動にも取り組んでいきたいです。 個人的な学習を進めるだけでなく、得た知識やスキルを組織に還元することで、ヤプリ全体の技術力向上に寄与したいと考えています。 ヤプリの課題解決に貢献しつつ、自身のキャリアも見据えた継続的な学習とアウトプットを意識していきます。

おわりに

新卒SREとしての1年間は、本当にあっという間でした。 この1年間の経験を糧に、今後は後輩への知識共有なども視野に入れつつ、SREとして組織へより一層貢献できるよう努めてまいります。